「売れっ子イラストレーターは、年収いくらなんだろう」。そう調べていると、憧れと同時に、「自分には無理かもしれない」という気持ちも湧いてきませんか。
この記事では、「お絵かきクリエイター®」として絵を仕事にしている私が、売れっ子イラストレーターの年収の考え方と、売れっ子を目指す道の難しさ、そして有名にならなくても仕事が続く働き方を、正直にお伝えします。
先に結論です。売れっ子の年収は、人によって大きく違い、ひとつの数字では語れません。そして、売れっ子と同じ道を目指すより、知名度に頼らずに仕事が続く働き方を選ぶほうが、安定して絵で働きやすいと私は考えています。両者の違いを、表にまとめました。
| 比べるところ | 売れっ子イラストレーター | 「お絵かきクリエイター®」 |
| 仕事の取り方 | 知名度と実績を積み上げて、指名される | 依頼主との関係を深め、口コミで広がっていく |
| 有名になる必要 | ある | ない |
| 新しいお客さんの開拓 | 続ける必要がある | 自分から開拓し続けなくてよい |
| 単価の決まり方 | 自分の実績と交渉で決まる | ベースとなる最低単価が決まっている |
この記事のポイント
- 売れっ子の年収が、ひとつの数字では語れない理由
- 売れっ子と呼ばれる人が、売れている理由
- 売れっ子を目指す道の、現実的な難しさ
- 有名にならなくても仕事が続く「お絵かきクリエイター®」という働き方
- この働き方が向いている人、向いていない人
それでは早速見ていきましょう。
売れっ子イラストレーターの年収は、ひとつの数字では語れない
年収は、人によって大きく異なる
「売れっ子」という言葉に、決まった定義はありません。書籍やゲーム、広告、SNSなど、描く分野も仕事の取り方も人によって違うので、年収も大きく異なります。インターネットで目にする数字は、あくまでその人ひとりの話であって、これから目指す人が同じ年収になる保証ではない、という点を押さえておきたいところです。
公的データで確認したいとき
イラストレーター全体の年収を、公的なデータで確認したい場合は、こちらの記事で整理しています。会社に雇われて働く人の統計と、個人で仕事を受ける人の収入は、そもそも前提が違います。
売れっ子が売れているのは、絵のうまさだけが理由ではない
売れっ子と呼ばれる人は、絵がうまいから売れている、と思われがちです。けれども、同じくらい描ける人は少なくありません。違いが出るのは、「この人に頼みたい」と思ってもらえる理由を、絵の外にも持っているかどうかです。
「この人に頼みたい」と思われる3つの理由
- 作風や得意分野がはっきりしていて、「このテーマならこの人」と思い出してもらえる
- 一度仕事をした相手から、何度も依頼が来る
- 絵を描くだけでなく、依頼主の目的に合わせて提案できる
信頼は、実績を重ねて築いていくもの
こうした信頼は、実績を積み重ねて、少しずつ築いていくものです。つまり、売れっ子になるまでには、時間がかかります。
売れっ子を目指す道の、現実的な難しさ
売れるまでは、低単価で頑張り続けるしかない
私自身は、イラストの販売をしたことがありません。ただ、イラストを販売している人たちの話を聞くと、最初は低い単価で数をこなし、実績や評価を積み上げてから、単価を上げていく流れが多いようです。
私は、デザイナーとして受注の仕事をしていた経験があります。売れるまで低単価で頑張り続ける苦しさと、実績ができてから値上げを交渉しても、うまくいかなかった辛さは、よく分かります。
値上げの交渉は、自分ひとりで背負うことになる
個人で仕事を受けている限り、単価は自分で交渉して決めることになります。相手に断られれば、それ以上は上げられません。実績があっても、値上げの話はしづらいものです。売れっ子として知られるようになるまで、この状態が続くことになります。
有名になることが、仕事の前提になる
売れっ子として仕事を続けるには、知名度が欠かせません。新しいお客さんに見つけてもらうために、発信や実績づくりを続ける必要があります。絵を描く時間とは別に、有名であり続けるための努力も求められる道です。
有名にならなくても仕事が続く「お絵かきクリエイター®」という働き方
「お絵かきクリエイター®」とは
「お絵かきクリエイター®」は、企業や個人事業主から、会社の想いやサービスの魅力を聞き取り、見る人の心に残るストーリーに組み立てて、「お絵かきムービー®」というプロモーション動画に仕上げる仕事です。映像は、ホワイトボードに手描きの絵と文字で描き進め、ナレーションとともに伝えます。
「お絵かきクリエイター®」「お絵かきムービー®」は、株式会社アクアフィールドの登録商標です。一般社団法人 国際じぶんストーリー協会の認定を受けた人だけが名乗れます。
最低単価が決まっているから、値上げ交渉に悩まない
イラストやデザインなどのクリエイティブな仕事は、価格競争に巻き込まれやすい世界です。数千円の単価も珍しくなく、そのままでは、お小遣い稼ぎ程度にしかならない金額で消耗してしまいます。
一方、「お絵かきムービー®」は、協会が最低単価を35万円と定めています。この基準があるので、始めたばかりの時期でも、自分で値段を交渉して、足元を見られる心配が少なくなります。単価を上げるための交渉に悩まなくていい、というのは、デザイナーとして値上げ交渉に苦労した私にとって、これは大きな安心材料です。
濃いファンができて、口コミで広がっていく
「お絵かきクリエイター®」の仕事は、次々に新しいお客さんを自分から開拓し続けるものではありません。ひとつひとつの案件に向き合い、依頼主に深く喜んでもらうことで、濃いファンになってもらえます。そのファンの方が、「知り合いの経営者にも作ってほしい」と、口コミで紹介してくださるのです。
もちろん、最初の1本目の案件を受けるまでは、誰でも苦労します。ただ、実績が増えるにつれて、紹介の連鎖で案件が安定していくのが実態です。
有名になる必要がない
この働き方では、有名になることが、仕事の前提ではありません。目の前の依頼主に選ばれ、満足してもらえれば、次の仕事につながります。知名度を上げるための発信に追われなくていいのは、描くことに集中したい人にとって、大きな安心になります。
この働き方が向いている人、向いていない人
向いている人・向いていない人の比較
| 向いている人 | 向いていない人 |
| 絵を描くだけでなく、相手の話を聞いて形にするのが好き | 自分の作品や絵柄で勝負して、有名になりたい |
| 知名度に頼らず、長く安定して仕事を続けたい | 作品づくりだけに集中して、依頼主とのやり取りはしたくない |
| 値上げ交渉や価格競争から離れたい | 決まった形のプロモーション動画ではなく、自由な作品を描きたい |
どちらが合うかは、目指す方向で決まる
売れっ子として自分の名前で勝負したい人には、有名になる道が合っています。一方で、知名度に頼らず、依頼主の想いを形にする仕事で安定して働きたい人には、「お絵かきクリエイター®」という選択肢が合うかもしれません。
まとめ:売れっ子を目指す前に、働き方を選ぶ
売れっ子イラストレーターの年収は、人によって大きく違い、ひとつの数字では語れません。売れっ子になるまでには、低単価の時期や、値上げ交渉の難しさ、有名であり続ける努力が伴います。
絵を仕事にするとき、売れっ子を目指す道だけが選択肢ではありません。知名度に頼らず、濃いファンを作って口コミで広げていく「お絵かきクリエイター®」という働き方もあります。自分に合う働き方を、一度考えてみてください。

コメント