白い背景に、手が次々と絵や文字を描いていく動画。YouTubeの本の要約チャンネルや、サービス紹介の動画などで見かけて、「自分でも作ってみたい」と思った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、手描きの動画を仕事にしている「お絵かきクリエイター®」の私が、ホワイトボードアニメーションの作り方を、専用ソフトを使う方法と、実際に手で描いて撮影する方法に分けてお伝えします。はじめての方がつまずきやすいポイントや、無料で始める方法も紹介します。
この記事のポイント
- ホワイトボードアニメーションの2つの作り方
- 手描きで作るときの6つの手順
- 見やすく仕上げるためのコツ
- 無料で作り始める方法
- 作れるようになった先の、仕事としての可能性
それでは早速見ていきましょう。
ホワイトボードアニメーションとは
ホワイトボードアニメーションは、白い背景に手描きのイラストや文字が描き進められていく様子を、ナレーションと一緒に見せる動画表現のことです。話の流れに合わせて絵が少しずつ増えていくので、文章や写真だけより内容が頭に入りやすく、説明や紹介の動画によく使われています。特定の会社の商品名ではなく、表現の形式を指す一般的な言葉です。
作り方は大きく分けて2つ
専用ソフトで作る方法
ひとつめは、パソコンの専用ソフトを使う方法です。VideoScribeやDoodlyなどのソフトでは、用意された素材や自分で取り込んだ絵を並べると、手が描いていくような動きを自動でつけてくれます。実際に描く必要がないので、絵に自信がない方でも取り組みやすいのが特長です。多くは有料で、無料体験の期間が用意されていることもあります。料金やプランは変わることがあるので、公式サイトで最新の情報を確認してください。
実際に手で描いて撮影する方法
ふたつめは、本物のホワイトボードに描いていく様子を撮影し、編集でナレーションと合わせる方法です。手の動きや線の揺らぎがそのまま映るので、温かみのある仕上がりになります。私が仕事で作っている動画も、この手描きの形です。道具は、ホワイトボードとマーカー、撮影用のスマートフォンがあれば始められます。
| 専用ソフトで作る | 手で描いて撮影する | |
| 必要なもの | パソコン・ソフト | ホワイトボード・マーカー・スマートフォン |
| 絵を描く力 | なくても作れる | シンプルな線画でも成り立つ |
| 仕上がりの雰囲気 | 整ったデジタルの印象 | 手描きならではの温かみ |
| 向いている人 | 手軽に早く作りたい人 | 手描きの表現を身につけたい人 |
手描きで作るときの道具の選び方
ホワイトボードは、はじめは卓上で使える小さめのサイズでも十分に練習できますが、撮影はA3サイズのホワイトボードにすると、広い画面に細かな表現がおすすめです。マーカーは、画面越しでも線がはっきり見えるよう、太めのものを選ぶのがおすすめです。スマートフォンは、スタンドやアームなどでしっかり固定し、撮影中にずれないようにします。手ぶれや画角のずれは、編集で直すのが難しいからです。
手描きで作るときの6つの手順
ここからは、手で描いて撮影する方法の流れを紹介します。いきなり描き始めるのではなく、最初の2つの工程にしっかり時間をかけるのが、伝わる動画にするいちばんの近道です。
1. 伝えたいことと、届けたい相手を決める
まずは、この動画で何を伝えたいのか、誰に見てほしいのかを書き出します。ここがあいまいなまま進めると、絵をたくさん描いても、結局何が言いたいのか分からない動画になってしまいます。
2. ストーリーを組み立てて、ナレーション原稿を書く
伝えたいことを、見る人が引き込まれる順番に並べてストーリーにし、読み上げるナレーションの原稿を作ります。説明を並べるだけでなく、「困っていること→変わるきっかけ→その先の未来」のような流れを意識すると、最後まで見てもらいやすくなります。
3. 絵コンテで、どこに何を描くか決める
原稿のどの部分で、ホワイトボードのどこに、何を描くかを紙に書き出します。描く位置を先に決めておくと、撮影の途中でスペースが足りなくなる失敗を防げます。
4. 描いて撮影する
スマートフォンを固定して、ホワイトボード全体が映るようにして撮影します。一度で描き切ろうとせず、場面ごとに区切って撮ると、失敗したときのやり直しが楽になります。
5. ナレーションを録音する
原稿を読み上げて録音します。静かな部屋で、スマートフォンの口元から少し離して話すだけでも、聞き取りやすさが変わります。仕事で作る場合は、依頼主自身の声で録ることもあれば、声優さんにお願いすることもあります。
6. 編集で絵と声を合わせる
撮影した映像の速さを調整して、ナレーションの内容と絵が描かれるタイミングを合わせます。スマートフォンの動画編集アプリでも、速度の変更やカットはひととおりできます。
見やすく仕上げるためのコツ
見やすく仕上げる5つのコツ
- 描いている手や腕で、絵をなるべく隠さない位置から描く
- 照明がホワイトボードに反射しないよう、光の向きを調整する
- 文字は少なめにして、絵で伝えられることは絵に任せる
- 線は太めのマーカーで、画面越しでもはっきり見えるようにする
- 一場面に描く量を欲張らず、余白を残す
絵の上手さより大切なこと
絵の上手さは、思っているほど重要ではありません。シンプルな線画でも成り立ちますし、何より大切なのは、手順1と2で考えた「伝えたいこと」が、見る人にまっすぐ届くかどうかです。
ホワイトボードアニメーションは無料で作れる?
手描きで作る方法なら、手持ちのスマートフォンと無料の動画編集アプリで、最初の1本を試すことができます。ホワイトボードがなければ、まずは白い紙にペンで描いて撮影してみるのもおすすめです。専用ソフトを使う場合も、無料体験の期間を使えば、自分に合うかどうかを確かめてから選べます。
作れるようになった先に、仕事としての道もある
ホワイトボードアニメーションの相場
ホワイトボードアニメーションは、スキル販売サービスでも制作の出品が見られ、1万円程度から依頼できるものもあります。作れるようになれば副業にすることもできますが、個人で出品すると、ほかの出品と値段で比べられやすいのが現実です。
ストーリーを組み立てる「お絵かきムービー®」
私が作っている「お絵かきムービー®」も、見た目は手描きの動画です。ただ、絵で説明するだけではありません。企業や個人事業主から依頼を受けて、会社の想いやサービスの魅力を聞き取り、見る人の心に残るストーリーに組み立てるところから手がける、プロモーション用の動画です。手順1と2の部分こそが仕事の中心で、そこに依頼主の想いを込めるからこそ、企業のプロモーションとして選ばれています。
「お絵かきムービー®」を作る人は「お絵かきクリエイター®」と呼ばれ、どちらも株式会社アクアフィールドの登録商標です。一般社団法人 国際じぶんストーリー協会の認定を受けた人だけが名乗れ、協会は「お絵かきムービー®」の最低単価を35万円と定めています。手描き動画が値段で比べられやすい中で、この基準があることで価格競争に巻き込まれずに仕事ができます。一般的なホワイトボードアニメーションとの違いは、こちらの記事で詳しく書いています。
ホワイトボードアニメーションの作り方に関するよくある質問
Q. 絵が苦手でも作れますか?
作れます。専用ソフトなら描かずに作れますし、手描きの場合も、シンプルな線画や棒人間でも伝わります。上手に描くことより、見る人に何を伝えたいかをはっきりさせることのほうが大切です。
Q. パワーポイントでも作れますか?
パワーポイントのアニメーション機能を使って、絵や文字が順番に現れるような動画を作ることはできます。ただ、手が描いていく動きまで再現するのは難しいので、手描きの雰囲気を出したい場合は、専用ソフトか撮影する方法が向いています。
Q. ナレーションは自分の声でないといけませんか?
自分の声でなくても大丈夫です。自分で録音するほか、依頼主に読んでもらったり、声優さんにお願いしたりする方法もあります。動画の目的や、誰の言葉として届けたいかで選ぶとよいと思います。
Q. 1本作るのに、どのくらい時間がかかりますか?
動画の長さや描く量によって大きく変わります。はじめのうちは、撮影よりもストーリーや原稿を考える時間のほうが長くかかることが多いと思います。慣れてくると手順ごとの時間の配分が分かってくるので、まずは短い動画で一連の流れを経験してみるのがおすすめです。
まとめ:まずは1本、手を動かして作ってみる
ホワイトボードアニメーションは、専用ソフトを使う方法と、手で描いて撮影する方法のどちらでも作れます。どちらの場合も、いちばん大切なのは描く前の「伝えたいことを決めて、ストーリーにする」工程です。
まずは手持ちの道具で1本作ってみて、楽しいと感じたら、仕事として続ける道も考えてみてください。「お絵かきクリエイター®」の仕事内容や認定の取り方は、こちらの記事にまとめています。


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